区民・事業者・練馬区等がともに地球温暖化防止をめざす

第3期くらしのエネルギー・スキルアップ講座

第4回講座レポート

講演「温熱環境と省エネを考えた家づくり」

前 真之 氏

講演「HEMSについて」

米田 さつき 氏

説明「省エネ行動トランプについて」

ねり☆エコ 事務局

開催日時:平成30年1月17日(水)午前10時~正午
開催場所:練馬センタービル 3階会議室

講演「温熱環境と省エネを考えた家づくり」

講師:東京大学大学院 工学系研究科 建築学専攻 准教授
前 真之 氏

概要

 省エネというと、かつては、省く、節約するという感じでしたが、今は、健康とか、快適で、かつ省エネです。

 家の性能がないと、冬寒い、夏暑い。快適でない。不快です。我慢すればいいと思われるかもしれませんが、高齢の方は、寒さに気づかない、暑さに気づかないということがあります。そういった事は非常に健康に悪いです。また、日々の暮らしが楽しいということが大切です。


資料1〜4

 日本に良い建物がたくさんストックされているのであれば、みんな電気代を心配せず、健康で快適な暮らしをできるはずです。残念ながら、今はできていません。どうすればいいのかというのが今日の話です。(資料1)

 家を買った人にアンケートをとりました。

 はじめに結論を言ってしまいますと、冬の暖かさ、夏の涼しさというのを、重視しています。

 家を作るとき、冬の暖かさは皆さん気にしない。しかし実は住んでみると満足度は低い。

 省エネ、本当に電気代を減らそうと思ったら、暖房冷房より、1年中使う、給湯設備、照明家電の使用量を月々減らした方が、効果があります。

 しかし、建物の性能確保が必要です。健康、快適を考えると、冬夏が大事です。快適、健康、冬も夏も楽しく暮らせるということを実現するためには、建物の性能よくしなくてはならない。

 今までは設備でやろうとしていました。寒いと思ったら、床暖房、電気カーペットなど、とりあえず電気屋に行って何かを買ってくる、それ以上のことを考えない、そういう癖があります。それではダメです。快適に、健康に、省エネに暮らそうと思ったら、建物自体を見直すということが非常に大事なのです。今、そういうようなエコハウスというのは楽しいものなのです。みんなが、こういう家に住みたいなというものにしていかないといけないのです。

 最近、ZEH(ゼッチ)「ゼロエネルギーハウス」というのがあります。必要ないという意見もありますが、それも考えていきましょう。

 今日の話の後半は、快適に、健康に暮らす話です。なんで日本の家は寒いのか。建物のせいだったりします。

 断熱と気密が大切です。しかし、これが皆さん嫌いなのです。息が詰まる、空気の流れがない、自然のように暮らせないという話になりがちです。しかし、断熱、気密、両方セットでないと暖かくならない。

 断熱。これは断熱材を入れるという話なのですが、気密をとらないと、冬を快適に過ごせないのです。優良な業者を探すというのは非常に大事です。スキルの差があるのです。

 地元でしっかりやっている工務店の人が、ハウスメーカーよりもずっと良い家ができたりします。しかも安く。しかし残念ながら、そうじゃない業者もいるのです。

 家なんて誰に建ててもらっても同じというのは、これは全然違う。見てくれは、それなりに、どの業者もやってくれるかもしれませんが、性能の確保という事は、ピンとキリだから、皆さん家を建ててもらったり新築してもらったり、または改修、直してもらったりする時は、ぜひ良い業者の人、しっかり性能を確保してくれる人を見つけていただきたいと思います。

 今日の話で、皆さん、技術の細かい事はわからなくていいのです。そういうことが大事だということを知っていただきたい。やった家とやらない家、こう違うということをしっかり知っていただきたい。

 最近、夏は非常に暑いという話を聞きます。

 日本の家には断熱なんていらない、断熱するから熱がこもって暑いという人もいます。違います。断熱しないと夏も暑いのです。

 しかし、断熱をした上で、日射を防ぐということを皆さん忘れています。夏、日がガンガン入っている中で、エアコンを使いまくるというのは非常に阿呆なことをやっている。この辺も知っておいていただければと思います。(資料2)

 エコハウスは、当然、省エネである。そしてCO2も減ります。さらに、快適に、健康に、幸せに暮らしていく。すべての日本の家がエコハウスになることが大事です。(資料3)

 私が書いた本の漫画ですが、家というのは家族のため、自分の幸せのために建てるのです。(資料4)

 その時にやれる事は3つあります。

 設備を良いものにすることが重要です。給湯設備を省エネにするとか、照明をLEDにするとか、エネルギーを使う設備自体を高いエネルギー性能のものにするというのはいいことです。もちろん最近は太陽光発電、少し前だと太陽熱給湯など、自然エネルギーを利用するというのはいいことです。


資料5〜8

 忘れがちなのが、「外皮」なのです。建物の器自体をしっかり作る。ここがないと「うまくいかない」ということになります。(資料5)

 これからは、まず地震で死なないために、しっかりしたものを作る。これはマストです。

 耐震等級1はギリギリです。死なないというだけです。大きな地震が来たら壊れて、直すか、建て直すことになるというのが耐震等級1です。

 耐震等級は、2、3とあるのですけれども、残念ながら、熊本は耐震等級3でも、結構倒れたのです。耐震等級4、5というのは、今はないのですけれども、そういうレベルが必要という人はいます。こういった構造というのは、ギリギリで充分という業者もいれば、結構頑張ってくれる業者もいる。今、地震で死なない家というのは大事です。

 次に、暑さ寒さで死なない。これは絶対マストです。

 2018年、家を買って、地震で、寒さで、命が危ないというのでは困ります。

 しかし、人間死ななきゃいいというものではないので、快適に暮らしたい。そうすると、暖かく、涼しく暮らしたい。そして、明るく、快適に、幸せにということができる。そういった健康で快適な暮らしがある。

 残念ながら今の家は建物性能がよくないので、設備とエネルギーに頼っています。実は電気代が、とんでもなく高くなるという問題があります。

 最近電気代が上がってきている。ランニングコストが上がってきている。残念ながら、将来もっと上がると思います。

 電気代を減らして、エネルギー、CO2を減らして、家族の安心のために、「省エネ」が必要です。健康で、快適で、末長い安心の家。どうリーズナブルに建てるかということが、今、問われています。

 性能がないというのは、住んでみた後で、すごく後悔をするのです。はじめに必ずやってください。省エネ、断熱気密は高い。諦めようはダメです。絶対に後悔します。当たり前にやらなければならないということを覚えておいてください。

 我慢したらいいという発想は、家族が困る。次の世代に引き継ぐ時に、寒い家、売れません。後ですごく直さないと、まともに住めない。売るときに困るのです。(資料6)

 日本の家というのは3重苦です。

 床が弱い、窓が弱い、屋根が弱い。日本の家というのは、スカスカなのです。(資料7)

 必要なときに、熱と空気の流れを止められるという「断熱」。換気は、ほんの少しの電気量で、計画的に換気する。24時間、必ず空気は動かす。必要な量だけ換気する。

 春、秋に窓を開けたければ、好きなだけ開けていいのです。必要な時には閉じることが出来る、開けたい時には開けることが出来る、メリハリをつけられるように建物を作っておきましょう。(資料8)


資料9〜12

 光熱費にびっくりしないためには、省エネが必要です。暑さ寒さ対策をする。これは建物性能の話です。(資料9)

 家を建ててくれる人というのは、大きく分けて仕事が2つある。

 まずは、しっかり設計をすることは大事です。電気代があまりかからずに、快適に暮らしてもらえるだけの性能を設計で確保しておく。その上で、その性能を実現すべく丁寧に施工してくれないといけない。

 特に、空気の流れ、無駄な流れを止める気密というのは、現場が丁寧にやらないと実現しません。

 大工さんに会えるという業者は、信頼できます。例えば、建てている途中にお客さんに見せる「構造見学会」。内装を張った後ではわからなくなります。その前に、こういう風に施工しています、構造はこんなふうにしっかりした柱を使っています、こんな丁寧な施工していますと、自信があるところは見せます。

 セールスマンが、出来そうなことを言っているだけでは、あまり信用できません。

 セールスマンは設計も施工もしません。なんでも言います。

 もちろん設計者には、ちゃんと直接会っておく。設計者が、いろいろなことを教えてくれて、フォローしてくれるというところも非常に大事です。それを丁寧に活かす大工さんもセットです。(資料10)

日本の家はちょっと寒い アンケート結果

資料13〜16

 5年間にわたってアンケートをとりました。はじめに設計者が何を勧めたか、最初に何を話し合って決めて、住んだ後に満足したのか、一連の流れを聞きました。エネルギーに限らず、幅広に、16の項目について聞いてみました。非常に満足というのが+3。重視したというのが+3。重視しなかったというのが−3。平均値をとりました。(資料11〜14)

 一番重視したのは「間取り」です。注文戸建て住宅でとったアンケートなので、アパートなどでは出来ない、夢の間取りにしたいというこだわりです。

 次に「耐震」です。いまどきは地震で壊れてもらっては困ります。

 見えるところはしっかりやろうとするのです。

 環境面では、3位に「冬のあたたかさ」です。最近、結構、暖かくできるとわかってきて、暖かくしたいという人。夏の涼しさは、まぁまぁ気にする程度です。

 しかし、省エネには、頭はまわっていません。(資料15)

 住んでみて満足したか聞いています。


資料17〜20

 耐震、間取りは満足できているが、冬の暖かさが、満足度としては6位くらいです。省エネは10位。夏の涼しさは、11位になっています。(資料16〜17)

 重視度と満足度を比較してみると、見えるところはちゃんとこだわって、満足出来ているのです。ところが、環境面、特に冬の暖かさ、夏の涼しさは、「あれっ」という感じになっている人が結構います。

 省エネは、無関心なので、「これはしょうがない」となっています。しかし、住んでみた後で「寒い」、「暑い」、「電気代高い」では困るわけです。じわじわ効いてくるのです。

 アパートや小さい前の家の時は、あまり光熱費がかかっていない。戸建住宅に行くと、基本的に上がってしまったりする。しかもアパートに住んでいた時より寒いと、だんだん気になりだす。光熱費にびっくりしないためには、省エネが大事なのです。(資料18)

 残念ながら、アドバイスをしてあげられない業者がいるのです。

 車の感覚でものを考えるのはダメなのです。車はどのメーカーも、大量生産で品質が確保されていますから、買って大騒ぎする事はないです。しかし、家というのは、安くても基本性能はあると、車を買うような感覚でいたら絶対に失敗します。

 それは一品一品、設計者がいて、施工しないといけないからです。ハウスメーカーは品質確認していると言いますが、現場の施工は下請けの工務店ですから、勘違いをしないようにしてください。いい設計者、いい施工者を見つける努力をしないといけないのです。(資料19)

 省エネを考える時、夏になると、どう冷房を節約するか気になる。(資料20)

 2003年、「冷房に一番エネルギーを使っている」と答えた人は4割いたのです。


資料21〜24

 最近アンケートをとると東京ではだいぶ減りました。関東では、「暖房が一番使っている」という人が多くいます。関西の人は、未だに「冷房を一番多く使っている」と思い込んでいます。「給湯」「照明」という人、ほとんどいません。(資料21)

 暖房冷房は、大したことはないのです。暖冷房は、所詮、季節ものなのです。それよりも年間使い続ける給湯や照明家具の方が、積算したら、1年の光熱費として見たら、圧倒的に多いのです。

 しかし、ここに認識のギャップがあるのです。普段電気代が月々10,000円かかるとしましょう。冬にエアコンを使ったら電気代が20,000円。夏にエアコンを使ったら15,000円になる。すると、冬に10,000円増えたとなります。次に夏に5,000円増えた。暖房、冷房は、「すごい上に行く」となる。人間は寒いのには強い。増えたという所には、すごく気になる。

 ところが、月々1万円というところは、なぜか気にしないのです。何で増えたという話ばかり気になってしまう。1年中使っている電気代月1万円、ガス代月5,000円、ここをケアしないと、大してメリットがないのです。

 電気代、ガス代の検針票1年分から、エネルギーの季節変化を大体予測できる。学生さんの1年間の検針票から、多分「これ冷房」「これ暖房」というのを切り出てみると、給湯、その他というのが圧倒的に多いわけです。暖房冷房の増減なんて「気にすることではない」とすぐ気づきます。

 エネルギーでも、お金でも、CO2でも、圧倒的に多いのは「給湯」「その他」です。省エネ、電気代を下げたいと思ったら、季節ではなく、年間で使う給湯、照明家電が重要です。

 差分に気をとられず、年間での積算で考えてください。(資料22〜23)

 一番手っ取り早いのは、節水型のシャワーにするとガス代が減りますし、下水道代が減ります。しかも本体は1,000円、 2,000円位でいくらでも売っていますから、簡単に交換が出来ます。節水型シャワーというのは、コストパフォーマンスが一番。圧倒的です。1ヵ月で元が取れます。

 次は照明です。LEDにする。照明を使う時間が多い人は効果的です。

 次は冷蔵庫です。新型に買い替えると、多い人は月々1,000円から1,500円位、電気代が下がります。

 「動き続けているもの」を効果的に省エネにしていく。日本人は大量に湯を使うので、給湯を省エネにしてあげるというのが一番効果的です。

 これをやらず「しょうもない努力」をしていると、省エネが「しんどく」なります。「面倒くさい」割には電気代が少なくならない。「もう辞めたい」となるわけです。

 効果的なところで、「電気代が1,000円2,000円確実に安くする」ことが大事です。(資料24)


資料25〜28

 そもそも日本の家は、全体として夏冬が不快すぎます。暖冷房は、省エネをあまり期待せず、コストよりも「暑さ寒さを何とかする」ということを考える方が、精神的に良いかと思います。(資料25〜26)

 横軸は、左側は前の家が寒かった人。右側は暖かかった人です。

 縦軸は、建てるときに「こだわった」か「こだわらない」かです。

 前の家は暖かくなかった人、次の家を暖かくしようと思っている。暖かい家に住んでいる人は、次の家も絶対に暖かくしようと考えるわけです。前の家が凄く寒かった左側の人は、次こそ暖かい家にしようというモチベーションがあるのです。ところが前の家はよくわからなかったという人は、次の家も「どうでもいいや」となります。

 確かに20年前、30年前の家だと、どこでも建物の性能がなかったから、家なんてこんな寒さでしょうがないと思うのかもしれませんが、今は建物の性能が上がっています。暖かい家と差がつくのです。(資料27)

 あまり真面目じゃない業者は、自分たちが楽をすることしか考えていないわけです。「断熱気密」と業者にいうと、「オプションです」という業者が結構いるのです。

 断熱を、する場合と、しない場合で、結構の差がある見積もりが出て来て、諦めようかという話になるのですが、間違いです。性能がないのですから、電気代がかかり、寒くて、暑いのです。残念ながら、いいもの作ろうとしない業者がごろごろいるのです。必殺の殺し文句は「オプション」なのです。(資料28)


資料29〜32

 断熱気密を知らない建て主に対しても、絶対必要なのです、入れないと3年後10年後、絶対後悔しますよと教えてくれる設計者・業者が必要なのです。(資料29)

エネルギーコストの上昇

 光熱費にびっくりしないために、断熱気密が必要です。(資料30)

 結構エネルギーは金がかかるのです。ここは東京という立地ですが、私は北海道・東北など、いろいろな所へ行きます。残念ながら、年を追うごとに貧しくなっていっているのです。家の単価も聞くごとに下がっている。今まででは考えられないくらいの安普請の家が建っています。

 環境省の調査ですが、年220,000円位、家のエネルギー代がかかっている。車も負担になっている。地方の人は家に車が、2台、3台ある。ガソリン代も大変なのです。(資料31)

 1951年に東京電力ができて60年、家で使うエネルギーは50倍に膨れ上がりました。その時、高度成長期、給料が上がっていく中で、電気の単価はずっと、ほぼ同じ価格だったのです。給料はこの時期、10年で8倍になりました。家電を買ってきて電気を使うことが文明だと。日本人は何かあったら家電屋に行って、電気製品、家電でなんとかしようという発想が強くなったのだと思っています。

 オイルショックで上ったのですけれども、その後、また安くなった。原発と石炭火力で下がって、最近また上がってきています。(資料32)


資料33〜36

 エネルギーと引き換えに、金が、産油国に行っているのです。震災前は家庭で占める支出の割合は、電気代がエネルギーコストの4%位。震災後は6.4%位と上がってきているのです。(資料33)

 今は日本中で、電気代が、北海道は特に、上がっています。(資料34)

 さらに上がるのです。今、「再エネを増やします」という話になっていますが、残念ながら「太陽光の電力電気を高く買う」という話にしてしまったので、これからすごい勢いで再エネを買い取るためのコストというのが、上がってくるのです。

 太陽光増やしても、ドイツとかの実績をみると、化石燃料は、意外と減らないのです。すると発電にかかる燃料費、再エネルギー分と石油、ガス、結構な額になる。(資料35)

 国のエネルギー供給は、トータルで発電コスト8,000円、コストが下がりますといっています。(資料36)

 土地・建物を買って40,000,000円位です。お値段高いです。35年固定ローンでも金利は安いのですよ。40,000,000円借りて 、利子10,000,000円で、支払いは5,000万円。建物は、20,000,000円位。


資料37〜40

 電気代、「月々10,000円余」。そうすると35年間で5,000,000円位払う。これなら、大した事はありませい。(資料37)

 電気代が上がってきています。例えば、毎回3%ずつ電気代が上がってくるとトータルで35年後に月々20,000円を超えてきます。総額8,000,000円。(資料38)

 35年後に、30,000円、40,000円近い電気代となると、総額10,000,000円になってくる。

 人生の中で、家・車・食費などの支出の6番目に電気代が出て来ます。

 適当に作ってしまい、アドバイスももらえず、いいもの作ってくれると思っていたのに、「電気代が高い」と、後になって困るのです。(資料39)

 省エネ。2030年に向けて日本のCO2を40%減らさないといけない。住宅は、あと12年で40%、CO2を減らさないといけない。(資料40)


資料41〜44

 ちなみに実績ですが、ここ20年、日本では0です。アメリカは32%のCO2を減らしています。世界で見ると一家あたりのCO2は減っている。日本はCO2を削減できていない。非常に大きな問題、恥ずかしいのです。(資料41)

 ちなみに京都議定書、結局、日本は達成できませんでした。お金で穴埋めすることになり1,600億円払いました。パリ協定後、石炭火力を増やそうとしているのは、世界で日本だけです。日本は、省エネの環境を叶える国ではないという烙印を押されているのです。日本企業の競争力や、ブランディングにも影響を及ぼして来るのです。(資料42)

 すべての日本の家が電気代を節約できて、快適に過ごせる。これが必要。全ての人がエコハウスに住みたいと思えないとダメです。

 しかし、若い人に余裕がないのです。リーズナブルでエネルギーを使わないような家にする。何より暮らしが楽しいのです。すべての日本の家がエコハウスになったら、日本は、省エネになるのです。

 これでCO2も絶対減って、地球にも世界にも顔が立つ。この流れを全ての家に普及する必要があります。(資料43)

 道は険しい。若い人は、退職金・年金は「ないのじゃないか」と思っています。だからイデコ(個人型確定拠出年金)とか、積み立てニーサ(少額投資非課税制度)とか、一生懸命やっています。でも本当に苦しくなったら新築はもうやめ諦めざるを得ないのです。

 日本の今ある家は、まともに若い人たちが幸せに暮らせる家かというと、微妙です。日本では、ろくな家をストックしてきませんでした。我々の次の世代というのは、苦しくなってきているという現実がある。もっと状況が悪くなります。(資料44)


資料45〜48

 だからこそ、今です。2018年です。もう絶対に地震で壊れず、そして絶対、快適、健康な家を、一軒でも多く建てましょう。(資料45)

 お金がないから性能をあきらめるのはいけません。お金があろうが、なかろうが、快適でミニ。コストとバランスをちゃんと作っていくことが必要です。オプションで省いていいものではないのです。デフォルトで入れてないとみんなが困る。ちゃんとした家がちゃんとできていれば、次世代に引き継げるのです。(資料46〜47)

 日本では、家は「私物だ」という感覚が強すぎて、社会に対して、自分たちがこうというのはなく、どんな家を作っても、自分さえ我慢すればいいという話になります。その発想が、今、日本を苦しめています。(資料48)

快適・健康を確保しよう!

資料49〜52

 低断熱、低気密というのは、冬、外から、冷たい、重たい空気が押し寄せてきて、足元が寒い、そうしたときに、エアコンで無理矢理、暖房する。エアコンも頑張って、暖かくするのです。暖かい空気が上に溜まり、頭がクラクラします。乾燥します。加湿器を買ってきます。これが間違っています。 その全ての原因は、断熱、気密がないから、破綻しているのです。(資料49)

 今から広島の一人暮らし女性高齢者の家の例を使って説明していきます。

 広島は暖かいイメージありますが、実は東京のほうが暖かい。ペラペラで、窓とは言えないガラス障子です。典型的に床、窓、屋根が弱いのです。

 赤外線カメラで見ると、ストーブの温度は300度を超えています。

 ガスを燃やして、強力な熱で、採暖する。ストーブの周りだけは熱いのです。ちょっと離れると「ちょうどいい」位に、もっと離れると「寒くてしょうがない」。このストーブの1m以内に「へばりついて暮らす」という生活になります。

 今日の絵は、全部、同じ温度が同じ色で、紺色が5度以下です。緑が15度、黄色が20度、オレンジが25度、赤が30度、白が35度。ストーブの前1mにへばりついて、立っている。近づきすぎると熱い。離れすぎると寒い。座っていると足を炙っている。周りは漆黒の闇。建物の性能がないのでこうなります。

 窓を見てみると、下の方がすごく青いです。外の冷たい、重たい空気が、窓など、下から押し寄せてきている。すき間風になっているのです。

 ストーブの排気ガスが上に行くのですが、幸か不幸か気密がないので、すぐ上から逃げて行きます。家の外から窓を見てみますと上の方が真っ赤なのです。

 内から見ると、外の冷たい、重たい空気が押し寄せてきています。中の暖かい空気が漏れていくのが外から見えます。

 断熱気密がないので、無理矢理「採暖」をしています。暖かい空気が上に行って、冷たい空気が下から押し寄せる。床の機密が取れていません。床下は完全に外気です。外気の上、10ミリ位の板の上に居る生活です。気密も断熱もありません。足元という、人間が一番弱いところに、一番冷たいところができてしまって、非常に寒がっています。上の方が暖かい。頭寒足熱の逆です。

 リビングに行きますと、闇の中です。床とか剥がすと、床下とか入ってみると、湿気に大分やられています。

 あまりにも寒いので、こたつを出してきている。腰が寒いらしいのです。空気の上にすわって、足だけ暖めている。どうするか。電気ヒーターを出してくる。これが日本の何かあったら電気屋で、家電でなんとかしようというアドホック(その場しのぎ)的な対策です。

 ヒーターは、すごくエネルギー効率が悪い機械です。エアコンに比べて、同じだけ加熱するには電気を6倍使ってしまいます。エアコンのほうが、はるかにエネルギー効率が高いのです。

 これは、断熱気密の問題です。

 「90歳で、こんなに元気じゃないか、何の問題がある」と言われます。しかし、ここに「そうではなかった人の遺影がある」わけです。もう「60そこそこで脳梗塞を起こしてなくなって」しまいました。今思えば、ヒートショックです。

 こういう環境だから、これが「体をすり減らした」という事です。

 人的資源をちゃんと長持ちさせる、日々の生活を楽しくさせるためには、これじゃダメなのです。(資料50)(投影のみ:広島の家の赤外線写真)

 ストーブ、加湿器からの水蒸気が壁の中や窓で結露します。建物を腐らせるのです。木の最大の敵は湿気です。湿気を帯びると腐りだし、シロアリが湧きます。(資料51)

 こういう環境の中で暮らすと、電気代を失い、人を失い、家を失い、そして何より楽しい生活を失う。断熱気密の確保は必要なのです。(資料52)

UA値とはなんなのか?

 2020年、建築物省エネ法により、新築住宅を全て省エネにしないといけません。

 省エネ基準が義務化される。しかし、義務になるというのは、誰もができるレベルになっている。2020年の義務化を今から「やっています」という程度で満足してはいけません。


資料53〜56

 省エネ基準義務化のレベルに熱の逃げやすさの数字がありますが、この数字が大き過ぎ、熱が逃げすぎるのです。(資料53〜56)


資料57〜60

 省エネ基準では、気密を何もケアしていません。昔C値という規程があったのですが、役人が面倒くさい、業者が面倒くさい、結局なくなってしまいました。2020年義務化される建物は、気密に関しては何もやってないのです。(資料57)

 エアコンの空気の動きをコンピューターで解析したものです。暖かい空気は軽いので、エアコンの暖かい空気が上の空間を埋め尽くしてから、最後に足元へ暖気が届く。断熱気密が取れていれば、最後はなんとかなるのです。

 しかし、これが問題。コンピューターが解析して、気密がとれている(左)。右は、漏れて冷たい空気が下から入ってくる。残念ながら大概の家は、右。あったかい空気がとどめられないで冷たい重たい空気が外から押し入ってくるのを防げない。「どうやっても寒い」。断熱だけではだめなのです。 気密をとって、暖かい空気を逃げないようにしないとダメなのです。(資料58)

 今、リビングに吹き抜けをつけて、明るく開放的にしたいという人が多いのですが、上の空間が大きいわけで、全然暖房が効かないので、後悔することが多い。

 床暖房という対策があるのですが、効率はエアコンほどよくないです。(資料59〜60)

 日本、東京は寒くないと言われていますが、昼間の太陽が出ているところで暖かいと思う地域は、夜、雲が無いと放射冷却で宇宙に熱が逃げやすく、気温が下がるのです。

 一番冷え込む所、朝トイレ行くときなどにヒートショックを起こしている。東京など、暖かい地域の人は、油断してはいけません。


資料61〜64

 日平均気温で言えば東京は6.7度と十分高いが、日最低気温としては1.8度しかありません。日最低が大事で、結構東京も寒い。天気が良いほど平均気温、最高気温、最低気温の差が大きいのです。(資料61〜64)

快適、健康な温熱環境とは?

資料65〜68

 快適な温熱環境を皆さん誤解していると思います。人間は体を加熱すると死んでしまいます。我々は体の中から勝手に熱が沸き上がってくるのです。食べたご飯の8~9割のエネルギーを熱として産出されているから、熱を捨てなければ死んでしまうのです。我々は体から熱を捨てなければ必ず死にます。そうした中で、体全体の熱を適度に放熱することが必要であり、かつ足元が寒いなどの局所の不快感がないという、この2つが必要です。(資料65)

 要するに、我々は体の中から熱が湧いてきます。 ちょうどよく捨てられれば、湧いてくる代謝熱が、ちょうどよく放熱出来れば、快適になります。

 また、放熱が大きすぎると、これは寒すぎて、やがて死んでしまいます。要はバランスです。

 食べたものから作られる熱量、そのかなりの熱量を上手に捨てられる環境が快適です。(資料66)

 熱の捨て方は、たくさんあります。空気に捨てる、遠赤外線の放射として捨てる、呼吸として捨てる、汗として捨てるなど、色々ありますが、大事なのは2つあります。

 皆さんは、100ワット位の熱を、今も捨てています。捨てなければ死んでしまっています。 半分は、周りの空気に対流で捨てている。残り半分は、遠赤外線という形で、床から天井に放射で捨てているのです。

 空気の温度だけ調節したのでは、空気の対流による放熱を防げるかもしれませんが、我々の体から捨てている熱の半分は、放射で床から天井に捨てているので、快適にならないのです。(資料67)

 この床から天井の温度を「ちょうどよく」することがよい。赤外線カメラで撮って見てみると、皆さんから遠赤外線が出ていて、周りの床から天井は気温が低いので、遠赤外線がどんどん床に吸われているのです。空気の温度だけじゃなく、周りの温度や天井の温度が低すぎると放射による放熱が増えすぎて、熱が抜けすぎて「寒い」となります。

 逆に夏を見てみると、断熱が足りないので床、壁、特に天井の温度が上がりすぎる。夏、断熱がない部屋で「頭くらくらする」のは、このためです。

 周りの温度が高いと「体の熱を捨てられなくなってしまう」ので、皆さんは、空気の温度を気にするだけではなく、放射の温度を気にするべきです。

 空気の温度だけじゃなくて、周りの物体の温度も含めた平均温度も考えた、「作用温度」が大事と言われています。(資料68)


資料69〜72

 ヒートショックなどを防ごうという研究がされていますが、家のあらゆる空間の温度を「空気の温度」ではなく、周りにある床から天井までを平均化した「作用温度」で、「18度以上にしましょう」というのが、研究による結果らしいのです。空気の温度を上げてもあまり快適にならない。床、壁、天井も含めて、よくしていきましょうという考えなのです。(資料69〜70)

 イギリスなどでは19度切ると健康リスクが出てくると言われている。イギリスでは22度、日本では家中くまなく作用温度18度以上。空気だけでなく、床から天井も、それなりに温度を高くし、長くいる部屋は、作用温度21度以上にしましょう。しかし、日本で、このようなことが出来ている所は、ほとんどないというのが問題になっています。(資料71〜72)

 作用温度を21度にすれば、暑さ寒さで死ぬことはありませんが、しかし、それでも不快な場合があります。人間と言うのは、体全体が快適でも、どこかでも不快の要素があれば、それはもうだめなのです。局所の不快を無くすというのが次に大事なのです。


資料73〜76

 局所不快の要素、四つです。ヨーロッパのISO7730にもあります。例えばエアコン動かしたら、風が当たって嫌だ。床が冷たい。放射の不均質(ムラ)、夏は天井が暑く、冬は窓が寒いというのがあります。床の温度も気になりますが。日本の家で一番問題なのが「上下温度差」です。(資料73〜74)

 ヨーロッパの基準では、頭とくるぶしの温度差が大きくなると急激に不満に感じる人が増えるので、基本的には、頭とくるぶしの温度差を2度以内、大きくても4度以下となっています。(資料75〜76)

 上下温度差というのが、日本の断熱気密のない家では、最大の問題です。外からの冷たい重たい空気が足元に忍び寄り、かつ、むりやり高温暖房していますので、頭の方は暑い空気になります。この上下温度差がどうしても日本の家は弱いのです。

 機密がとれていない方の家を見ますと、頭のところに暑い空気があり、足元は冷たい。上下温度差が気になり、絶対に快適にならない。断熱気密がない物件で、エアコンが高温で暖房します。特に家具などがあると、エアコンの暖気が家具に弾かれるので、絶対に足元は暖まりません。

 つまり断熱機密がないと、エアコンがもっと暑い空気を運ぼうとし、暑くなるほど空気が軽くなり、もっと上に行ってしまう。悪循環になり、足元には漆黒が出来てしまう。こうした中で座っていると、頭にはエアコンの暑い風があたっていて、どうにも不快です。

 上下温度差ができ、頭のところ19度、足元11度で、差が8度も出来てしまい、絶対に快適にならない。日本の家は、大概こうです。上下温度差を測ると、大概、その家がしっかりしているかわかります。

 床暖房入れれば解消するという意見もありますが、あまり省エネになりません。

 建物の性能をしっかり確保して、足元に冷たい空気が入ってこないようにする。そもそも建物をしっかりつくれば暑い空気がいらなくなります。それによっては、頭のところに暑い空気が無い状態にしていくことが大事です。


資料77〜80

 建物、冬はしっかり断熱機密をして、冷たい空気が入ってこず、暖かい空気が漏れない、エアコンは「ぬるい空気」を出す。ぬるい空気はそれほど軽くないので足元に届きます。これでようやく、すべてうまくいきます。(資料77)

ほぼ唯一の、省エネで、健康で、快適な家をつくる方法です。器を考えず設備の力だけでは、どうにもならない。寒い刺激は必要ですが、それは外でやればいいのです。(資料78)

 今の家なら、そんなに気にしなくてもいいのではないかとも思われるかもしれません。省エネ基準を満たしているという家も、以前の家よりは、ましですが、足元は寒いのです。結構難しいのです。(資料79〜80)

実物件の例

 ダイニング周り。エアコンから離れた所、やっぱり足元は寒いです。キッチンの足元が寒い場合が多いです。エアコンの暖気が届きにくいのです。 石油ファンヒーターも困ったもので、吹き出す空気が100度くらいあります。大変軽いので、上に行ってしまい、意外と「快適にならない」ということも覚えていてください。


資料81〜84

 結局、子供達はストーブの前にへばりつく。ストーブやファンヒーターが出しているのは排気ガスです。困ったものです。(資料81〜84)

さらなる高性能化に向けて

資料85〜88

 ゼロエネルギー住宅ZEH(ゼッチ)というのが出てきまして。はじめは設備を高効率化するかとか、太陽光発電乗っければとか、やっていましたが、日本の家は性能が低すぎるという「批判」が出てきまして、最近はこのZEHを大前提として、高断熱高気密をちゃんとやりましょうという話しに変わってきています。(資料85〜86)

 今、ゼロエネルギー住宅というのは、新築30万棟近く、新築注文戸建てがある中で、3万棟位はゼロエネルギー住宅となる。これはすごいのです。海外の人に「3万棟、日本ではゼロエネルギー住宅がある」というと驚愕します。うちの国には数100軒程しかないというのになどと話しています。(資料87)

 日本は設備やエネルギーには、それなりに頑張ってきています。日本で足りないのは、性能で、これから断熱気密の器の性能が重視される。その時覚えておいた方がいいのは、「省エネ基準で」と業者が言ったら、「おたくどれ位断熱気密やっている」と聞き返し、「ヒート20のG1、G2、それ以上ですか?」というような聞き方をしてみてください。

 すると、嫌な顔をされるか、または、よく言ってくれましたと言うか、そこでだいたいわかります。


資料89〜92

 ヒート20というのは、民間の団体が作った、国の断熱基準を上回る断熱性で、国は絶対基準以上はやらないので、民間のほうでヒートG1とG2。グレードを上げている。G(グレード)1は、そこそこです。G1はマストです。(資料88〜90)

 いまどきG1より下げるのは、あまりよくない。G1は一ついい。G1はマストでやっていただき、余裕があればG2です。G2までやれば、大概、大丈夫です。

 この上にも、ドイツのパッシブハウスなど、いろいろな提案はありますが、費用対効果は急に悪くなって来ますので、まずはG1マスト。なるだけG2断熱と言う感じでやると、東京だったら、ちょうどいいと思います。

 是非、ヒートG1、G2を覚えて、これを言って、どんな反応が得られるか。業者が「ぽかーん」としたら話にならなりません。その業者は、絶対選ばない方がいいと思います。知らない業者がいるのです。注意しましょう。(資料91)

 それぞれの家で求めているレベル、東京は6地域になります。(資料92)

HEAT20

 省エネ基準で求めている線に対して、ゼロエネルギー住宅とか、ヒートG2とかは、「より少ない熱の逃げ」ということを利用しています。要するに断熱材が厚くなります。今も、戸建住宅でも、残念ながらやる気のない業者がペラペラの断熱材を75mmだけ薄く入れているのです。


資料93〜96

 これが、今、省エネ基準を満たそうとしたら出てくる壁です。(資料93)

 断熱材が厚くなって、しっかりしています。ほんとに今、ヒートG2とか、断熱を厚くすると、柱内の断熱材だけではなく、外張りの断熱材をもう1枚入れてある「ダブル断熱」というのがあります。柱の中にしっかり入れて、かつ外側にも、もう一回貼ることで、熱の逃げをできる限り減らす。そうすると熱の逃げやすさであるU値が急激に小さくなります。(資料94)

 外側を冷やして比較してみると、断熱が悪い家は、だんだん壁の温度が上がってきます。空気の温度を上げないで、床から天井の温度を上げないといけないから、床から天井の温度を上げる一番効果的な方法は、断熱をしっかりとることです。壁の内側の温度が上がり、作用温度も上がるということです。

 残念ながら今だに、薄いグラスウールをお客さんの家に入れてしまっている業者が、ごろごろいます。しかも隙間があるのです。105ミリ隙間があるのに、それをぴっちり断熱材を埋めようとしないのです。わざとふにゃふにゃの断熱材を使って数万円コストを浮かしているのです。必要がないと思い込んでいる。(資料95)

 あと大事なのは施工です。一見同じようにグラスウール詰めているように見えますけれども、施工が雑な場合と、ちゃんとした場合で赤外線、全然違います。雑な施工では、外の冷たい空気がどんどん入ってきちゃう。断熱材がきかなくなっているのです。しっかりと気密をとって、丁寧な施工すれば、断熱材は効くのです。(資料96)


資料97〜100

 窓というのも大事です。窓の性能も、良いものを選んでください。見破る方法としては、Low-e(ローイー)ガラスは、当然入れています。フレームは樹脂か木製。今どき、アルミの枠を使っていますという業者は不勉強だと思っていいです。窓のアルミ枠というのは一番熱が逃げやすいということを、これだけは、今日、知っておいてください。(資料97〜100)


資料101〜104

 これが比較的有効な見破り方です。なぜアルミがいけないかというと、物質の熱の伝えやすさλ(ラムダ)という数字なのですが、木とか樹脂に比べて、アルミは1000倍熱を伝えやすいのです。ステンレスに比べても10倍です。アルミは、飛び抜けて熱を伝えます。アルミより熱を伝えやすい物質は、銅や銀くらいしかないのです。(資料101〜102)

 アイスクリームにスプーンを突き刺してください。アルミのスプーンだけ冷たいです。木や樹脂は、ほとんど熱を伝えないのです。

 今まで、アルミは、加工性がいい、耐久性がいい、気密性がいいというので、ずいぶん使ったのですが、断熱を考えたら最低の素材だったというのが、日本の大問題になっているのです。

 外側冷たくして、アルミサッシシングルガラス。今アルミを使っていて樹脂をちょっとだけ入れているアルミ樹脂複合とペアガラスというもの、これとフルのプラスチック(樹脂)。プラスチックというと何故か悪いイメージありますが、断熱性能に関しては、アルミとは比較にならないくらい高性能です。この赤外線カメラで見ると全然温度が違う。(資料103)

 もちろん、ガラスも大事です。ガラスをシングルではなくて2枚にする。Low-eにする。文句があるのは枠なのですよ。残念ながら、今一番多く使われているのが、アルミ枠かアルミ樹脂複合枠、冷たいのです。結露するのです。今、新築買って後悔すること、かなり上位に結露があるのです。

 アルミの枠の残っている窓だと、冷たい部分が残って結露します。フル樹脂にしたら結露しなくなります。(資料104)

 最後にちょっといい例をお見せして、終りにします。

 窓も良くしましょう。木製サッシを使う。ガラスも3重です。断熱もしっかりする。先から、赤だ、青だというようなものを、たくさんお見せしてしまいましたが、こういうのをやっていくと、完全に上限温度がなくなってくるのです。

 吹き抜けがあるのですけど、断熱機密がしっかりしている。全部がオレンジ色の空間に。窓枠は確かにちょっと低いですが、今までに比べると比較にもならないという事がお分かりいただけます。

 床、壁、天井にも断熱材をしっかりと入れていくということです。ガラスも3重ガラス、一番いいのは木製サッシです。その次は樹脂です。熱が非常に逃げにくくなっています。さっきの家と全然違うということがお分かりかと思います。

 キッチンも充分に温度が高い。温度が23、24度といったところです。風呂場、トイレも、全然違う空間ができている。

 今の技術をちゃんと導入すれば、高コストではなく、こういう家ができます。

 実現するのは皆さんの意思なのです。「途中で諦めず」に、「勉強して」、「良い業者を見つけて」、「しっかり建ててもらう」ということを「やりきれるかどうか」によって、家の性能、住んでみた満足度は、全然違います。

 皆さんが、アクティブに行動しない限り、勉強して業者を選び、その業者にしっかりやらせない限りできません。


資料105〜108

 是非、皆さん頑張っていただきたいと思います。(資料105〜106)

数値流体計算CFDで断熱・気密を診断
夏の日射遮断も忘れずに!

 2018年、もう地震で壊れない、安全安心。そして普段の生活、電気代を心配しない。これ、絶対必要な性能です。絶対あきらめてはいけない。これはチョイスではない。マストなのです。もはや権利ではなく、義務です。

 それをやっていくことで、安心して暮らせる、幸せに暮らせる家ができてくる。それができてこそ、日本は楽しい国になります。日本で暮らすことを、楽しくしないといけないのです。

 多くの人が苦しいというのは困ったものだと思います。みんな頑張っていかないのです。仕事も、暮らしも、楽しくしていきましょう。他にもたくさんの要素はありますけれども。

 今、アメリカの建築分野で推進されているのは「ウェル」「フィットウェル」。「健康」なのです。世界保健機構WHOの健康の定義というのは「健康とは、身体的、精神的、社会的に健全である」ということを言っていて、単純に「病気」の話ではありません。

 日本で健康というと、今、建築では、血圧の話になりすぎている。トータルで幸せになっていく、それが社会にとって、自分の家がきっと残っていくだろうということこそ、満足ではないでしょうか。

 社会とのつながりの中で健全です。皆さんが一生一大かけて作ったものが、今ゴミとなって、ほとんどスクラップになっているのです。空き家になって、誰が壊すという問題もあります。

 日本は、いろんな意味で健康でない点がありますが、家だけで治せることが、結構いろいろあります。家づくりを頑張って、幸せな生活を手に入れるということが大事です。

 新築だけでなく、改修でもできます。今、改修の性能は、大きなテーマになっています。良い業者を見つければ、新築に負けないような、性能のある家にできます。是非、頑張っていただければと思います。(資料107~128)


資料109〜112

資料113〜116

資料117〜120

資料121〜124

資料125〜128

配布資料

講演「HEMSについて」

講師:パナソニック株式会社 エコソリューションズ社
エナジーシステム事業部
住宅エネマネ市場開発センター
米田 さつき 氏

概要


資料1

 「エネルギーを賢く使った快適な暮らし」を、HEMS、ZEH、またIoT、AIといったようなキーワードでご紹介します。(資料1)

 まずHEMSとはHome Energy Management System(ホーム エネルギー マネジメント システム)を略してHEMS(ヘムス)といいます。エネルギーを見える化するだけでなく、家電・電気設備を最適に制御する2つの機能が備わって初めてHEMSというものになります。4or5年以上前までは、見える化だけでHEMSと言われてましたが、昨今、いろんな補助金等では見える化と制御ができてHEMSと定義づけられています。

 弊社「パナソニックのHEMS」を例に、ご紹介していきます。

 HEMSは、人工知能を搭載したアイセグ(AISEG)というものと、住宅分電盤のような形をしたスマートコスモ。そしてプラス、スマートフォンのサービスアプリ、この3つのもので最低限HEMSをご採用いただけます。

 このアイセグというものなのですが、無線ルーターのような形をしておりまして、場所的にはリビングのテレビの前などに置かれているといったような物になります。こちらのスマートコスモは、一見すると普通の住宅の分電盤のように見えますが、分電盤機能プラスHEMS機能が搭載されたものでして、場所は皆様の家の脱衣室ですとか、また階段の下などに置かれていることが多いと思います。

 スマートコスモで各回路の電力量を計測し、無線でアイセグに飛ばす仕組みになっております。


資料2

 スマートHEMSのアプリは、既にお持ちのスマートフォンの中でダウンロードしていただきます。これだけで、最低限HEMSというものを実現できます。(資料2)

 次にネット・ゼロ・エネルギーハウス「ZEH(ゼッチ)」です。家庭での年間エネルギー消費量を、概ねゼロにするもので、具体的には建物の断熱性を高めてエアコンの使用量を減らし、また高効率な給湯機やHEMSを使って、消費エネルギーを減らして、最低限に減らした使用エネルギーを、太陽光発電とか、エネファーム(家庭用燃料電池)で賄うことで、簡単に言いますと「自分の家で使うエネルギーは自分の家で賄いましょう」という考え方がZEHです。


資料3

 しかし、ZEHを実現するにあたり、建物の徹底した省エネ対策の断熱性の向上や、高効率な省エネ設備の導入にはコストがかかります。お住まいになるかた、施主様の「投資」が必要になるということです。従来、私共では、光熱費が減る分で、「何年で投資を回収いたします」とご説明をしてきました。(資料3)

 本日はそれにプラス、健康という付随する便益についてご紹介します。慶応大学の伊香賀先生の調査結果です。高断熱の家に住まれた方1万人を対象にした結果です。省エネ性能に優れた戸建て住宅を建てた1万人を対象に、転居前後の疾患の状態を比較した調査です。結果を見ると、どの疾病も、転居後の有病者数が減っています。また、完治しないまでも、状況が好転した人も多いということです。

 アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、高血圧性疾患、気管支喘息の有病者の割合が減っています。


資料4

 この調査結果の中には、病因として、結露によるダニ・カビが減ったということ。また、空気の環境。先ほどのご講演で東京大学の前先生からも放射型のストーブの話がありましたが、隙間だらけの古い家だと、排気を出す開放型ストーブを強力に運転し続けないと部屋が暖まりません。一方、高断熱の家では、床暖房やエアコンなどの暖房器具を緩やかに運転するだけで快適になり、空気環境もよくなります。もう一つは、ヒートショックがなくなったということ。部屋と部屋の間の、部屋から廊下のトイレに行くまでの間の温度差、また昼と夜との温度差が無くなったことで血圧の急変動を抑えられます。このようなことが複合して、有病者数の割合が減ったのではないかという調査結果です。(資料4)


資料5

 「日本の今の住まいは高齢者にとって安全・快適か?」平均寿命と健康寿命の差ですが、男性では約9年、女性では約13年の差があります。他にもいろいろな理由があると思うのですが、「暖かい家にお住いであるほど健康寿命が長い」といったような調査結果も、数々出ています。(資料5)

 その中で、今ちょうど寒い冬なのですが、日本の寒い冬を、どう過ごしたらいいかということで、「エアコン+床暖房で快適に」ということです。

 今日はHEMSのお話なのですが、こういったような機能をHEMSでコントロールする事例を参考につけさせていただきました。


資料6

 まずエアコンで急速に温めて、あとは床暖房で快適さをキープします。エアコン、床暖房を付けた後の床温度と室温のグラフを示しています。頭寒足熱という理想的な暖房にすることができ、空気の乾燥も防いで空気環境もよくなります。このようなことも、後ほどご説明するHEMSで制御することができます。(資料6)

 また、目に見えないからこそ気を付けたい空気環境です。一般的には、人は1日に18㎏、球にして直径3mの空気を、体に取り入れています。空気の質が、とても健康に関係があるということがわかります。


資料7

 ただいま、外は、年中花粉症になる空気、花粉症になる状況がありますし、家の中でもPM2.5とか、ハウスダストといったような問題があります。家の中を快適にコントロールするのも、なかなか難しいものがありますが、空気のコントロールをするのも「HEMSで可能」です。(資料7)

 HEMSの「見える化」、エネルギーマネジメントなのですが、HEMSをつけて「エネルギーを見える化」するだけで、「約10%省エネ」になるという研究結果が出ています。

 例えばダイエットをするときに、毎日体重計に乗っているとダイエットできるといったこともあるかと思います。HEMSをつけるということで、例えば「2階の子供部屋のエアコンがつけっぱなしのことが多かった」とか、「どこでどのように無駄なエネルギーを使っているか」というのがわかるだけでも「約10%省エネになる」ということなのです。


資料8

 今までご紹介してきましたように、エネルギー収支がゼロになることがZEHの最大のメリットではあるものの、「HEMS」を導入することにより、健康・快適・安心といった心地よい住まい・暮らしをつくることができます。(資料8)

 つながる機器の詳細は、このようになっております。最低限の設備は、先ほど申しました住宅用の分電盤の中にHEMS機能が搭載されていますスマートコスモとアイセグです。それにプラスしてエネファームですとか、太陽光発電システムという「創る」もの。また、「貯める」蓄電池、また「わかる」ということでモニターです。これは専用のモニターでエネルギーを見ていただくこともできるのですけれども、すでにお持ちのスマートフォンやタブレットでも見ていただけます。必ず新しく買っていただく必要はありません。


資料9

 また空気の環境ということで、空気清浄機や温湿度センサーとも連携します。また賢くつかうということで家電製品と連携します。その中で防犯・防災・空気室・快眠といったようなところを、HEMSが提供していきます。(資料9)


資料10

 後半はIoTとAIについてご紹介したいと思います。IoT「Internet of Things」モノのインターネットなのです。マスコミ等でIoTの話を聞くと思いますが、実際、自分にどんな風にかかわりがあるのか。(資料10)

 一つの例を示してみました。IoTとAIで、それがある前と、ある後で、どうなってくるのかというので、例えば夏の暑い日に外から帰ってきたとします。IoT、AIのない家は帰宅すると「暗い」、「どこにスイッチがあったかな」とスイッチを捜して照明ONにします。

 また、エアコンのリモコン何処だったかなと思ってエアコンのスイッチを付ける。冷房モードにするけど、まだ暑いから設定温度を変えるということで、IoTとAIがないときは、やりたいことを自分で頭の中で組み立てて機械を利用するといった、機械はユーザインターフェースを提供するという役割でした。

 IoTとAIが入ってきますと「ただいま」と言いますと、自動的に照明がついてくれまして、温度が30℃超えで「ちょっと暑いなあ」と言うと、AIが「エアコンをもっときかせますか?」と聞いてくれまして、「よろしく」というと、さらに温度を低下させてくれる。またAIが「ビールの安売りしているみたい、冷えたビールを注文しますか?」というようなことを聴いてくれて「いいネ、よろしく」というと、「缶ビールがネットスーパーから届く」といったようなことをやってくれます。

 これはやりたいことをIoTとAIが協調して実現する、ユーザーエクスペリエンス(システムやサービスを利用して人間が得る経験)を提供してくれることになります。


資料11

 今、ここでは、便利な話ばかりしていたのですけれども、AI, IoTで、やはり省エネになるところにも担ってきます。例えば、一週間のお宅の電力の使い方を見てみまして、お宅の家では、電力会社のこのプランだとお得ですといったガイダンスを与えてくれたり、また、明日の天気の状態を得まして、「太陽光発電による発電量が見込めそうなので蓄電池に貯めた電気を使ってしまおう」と節電してくれたり、また目標設定したエネルギー使用量を超えてしまっていたら「エアコン使用量を落としたり」といったところでも「AIが働いてくれる」ことになります。(資料11)

 こういったようなHEMS、AI、IoT、ZEHとなると、「新築でないとダメかな」というご質問を受けるのですが、既存の住宅でも採用していただくことができます。

 先ほどのHEMSの核になりますスマートコスモですが、こちら新築の場合ですと、工場出荷段階から分電盤の中に、センサーやHEMS関連機器がオールインワンで搭載されているものを使っていただくことができます。既存の住宅の分電盤の場合ですと、すでにある住宅の分電盤の隣に、こういったようなアイセグ用エネルギー計測ユニットを増設いただいて、新築でお使いいただくこととまったく同じ機能を実現できます。

 大体の値ごろ感なのですが、分電盤の回路数によっても変わってきます。出荷されている分電盤では20回路前後が多いそうですので、20回路とした場合、メーカー希望小売価格でスマートコスモとアイセグで20万円前後です。

 この住宅分電盤なのですが、実は、工業会では「13年たったら分電盤を変えたほうがいいですよ」といったことを言われております。皆様よく「分電盤って一生使えるものじゃないの」と言われるのですが、やはり13年たつと安全の面も考えまして、できるだけ新しいものに付け替えていただきたいです。既存の分電盤に増設しましても、センサー代金とセンサー設置工事代金などを入れますと、逆に割高になります。私共では、古い住宅分電盤の場合は、新しい分電盤にお買い換えいただくことをお勧めしております。

 そのHEMSと、どういったものが「つながるのか」ということで、実は、昨日、弊社はプレスリリースをしました。今までですと4社のメーカーさんと提携していたのですけれども、2018年度は14社様と提携することになりました。

 少しどんな動きになるかをご説明させていただきますと、まずスマートフォンで家の中の照明を制御する。これは家の中にいても、外にいてもできます。

 例えばリビングにいながら2階の照明をON、OFFしたり、また外に出ているときには、家にいるふり、防犯のために照明をつけておいたりといったようなことを、スマートフォンでできます。またエアコンも、家の中、外でも制御できます。

 そしてこちらが弊社の一押しなのですが、炊飯器、食器洗い乾燥機、洗濯乾燥機に関しましては、メーカーを問わずに連携できる機能があります。

 まず炊飯器です。わたしもよく失敗するのですが、カレーライスを作った時に一生懸命ルーを作って、さあ食べよう思ったら炊飯器スイッチ入れ忘れていた。しかたなくパンで食べたりするのですが、炊飯器のスイッチの状態をスマートフォンに飛ばしてくれる。

 また食器洗い乾燥機ですが、これやはり電気料金の安い夜にしようと思っているうちに、オンを忘れてしまうということもあると思うんですが、そういった時もスマートフォンに教えてくれる。

 また洗濯機。わたくしも共働きしていまして、夜のうちに頑張って洗濯して、寝ちゃって、結局、朝そのままになっていたので、もう一度洗濯し直すということもあるのですが、洗濯機が終わりました、乾燥機が終わりましたといったようなことも、スマートフォンに教えてくれるといったような機能もあります。


資料12

 今、ほんの一例なのですけれども、これ以外にもさまざまなもの、機器と連携しまして、エネルギーを削減したり、快適な環境にするといったところで、HEMSがものすごく役に立ちます。(資料12)


資料13

 パナソニックが目指すものということで、今、私共では、いろいろな電力量ですとか、機器の情報をもとに、その方その方の嗜好に合わせたスタイルを提案するといったところを目指しております。(資料13)


資料14

 先ほども申しました通り、すでにサービス提供中なのでが、家事をサポートしてくれるもの、またお子様が帰宅された場合、「お子様が帰宅されました」というようなことを通知してくれる。またお子様が寝られたときに、あんまりドタバタ帰るとお子様が起きてしまいますので、「お子様がすでに就寝です」といったようなことも通知してくれる等のサービスを既に展開しています。(資料14)

 弊社の東京有明にありますショウルームでは、パナソニックが考える「2020年~2030年のより良いくらし」クラウド時代の生活事例“A Better Life, A Better World”をひと足先にご体感いただくことができます。そこでは、電気製品や住宅設備から集まる情報をもとに、その人、その家族に最適な街・社会のサービスをうまく取り組むことで主体的に心地よく暮らす。


資料15

 そんな新しいライフスタイルをご提案しております。(資料15)


資料16

 こちらの頁は、ネット・ゼロ・エネルギーハウスの話です。先ほどのご講演で東京大学の前先生からもご説明されましたので、時間の関係もあり、詳細ご説明は省略させていただきますので、ご参考までに見ていただければと思います。(資料16)


資料17

 また、実際にZEHに住まわれた方の感想やアンケート内容も載せていますのでご参考にしていただければと思います。(資料17)


資料18

 このようにHEMSにより、エネルギーの見える化だけではなく、制御、そして健康快適といったようなところで、いろんな満足度アップにつながるように提案して参ります。(資料18)

配布資料等

説明「省エネ行動トランプについて」

ねり☆エコ事務局

概要

 「省エネ行動トランプ」の使い方などについて、説明をしました。

配布資料等